禊
私には 親友と呼びたい友達が居た。
私と同じ 生まれた時から苦しんで 環境に絶望して
やがて生きる事を諦め全てを終わらせようとした
IF(イマジナリーフレンド)保持者の 女の子。
始めは一次創作繋がりだった。
私はその子の一次創作が本当に大好きで
交流を重ねる様になって 夜通し作業通話をする程仲良くなっていった。
その子がIF保持者だと知ってからは更に話す頻度が増えていって
IF同士でお話する様にまでなっていった。
その子には恋人が居た。
ある時からその恋人への愚痴を聞かされるようになって
私もその子の恋人に不信感を募らせる様になった。
その子が話しかけても見向きもしないで
ゲームで別の女の子と交流するのに夢中だなんて。
私達ならそんな事しないのに。
そう思う様になってから私とその子の関係は
少しずつ違ったものになっていった。
一番気になったのが その子のIFの様子がおかしくなった事。
私のIFの声を聞く度に苦しんだり興奮したりする様になって
通話越しで性的なやりとりをしたり 身体の拘束をしたり
どんどん関係は酷くいかがわしいものへとなっていってしまった。
私達は こんな事望んでいなかった。
ただその子やそのIFに 楽になって欲しかった。
もうこれ以上 苦しんだり絶望したり諦めたりして欲しくなかった。
私達と 少しでも良いから 生きて欲しかった。
その後 その子の恋人に私達との事が発覚して
連絡がとれなくなった。
「連絡出来ないのは 私の意思じゃない」と言われて。
それから私達は 間違った選択をした後悔と
その子の意思と周りを傷付けた罰を刻み付ける毎日を送った。
その子との繋がりを(もう傷付けまいと)一方的に断ったり
(繋がりを断った後悔が押し寄せて)また元の関係に戻ろうとしたり。
思えば私の行いは何もかも 全て 間違っていた。
あまりにも身勝手だった。
自分達の事しか考えてなかった。
私達さえいなければ あの子達は。
私は あの子の最後の願いを覚えている。
「生きていて欲しい」
それが 今も望まれているとしたら。
私達の犯した罪への 禊になるのなら。
私達はまだ 死ねない。
死んでいられない。
あの子達が この世界からいなくなってしまうまでは。
生きて 償う。
もう二度と 同じ過ちを繰り返さない。
あの子達が最後まで頑張って この世界を旅立ったら。
私達は 私達を この手で 終わらせる。
私達は 地獄に落ちる。
天国で安らぐあの子達に
もう二度と巡り会わない事を祈って。
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